原田マハさんの“リボルバー”という小説を読んでから、想い焦がれていたゴッホの作品を見てきました。狂気の天才画家と表されることの多いフィンセント・ファン・ゴッホ。個人的にはゴッホの少し面倒くさそうな人間性がけっこう好きです。彼の作品はどれも鮮やかで力強く、情熱に溢れていました。ひまわりの印象が強いですが、今回は“アザミの花”という作品が心に残りました。


間近でみると筆運びや筆の跡の荒々しさが分かって、離れて見ると美しさが際立つ。ゴッホの作品は見る距離感で印象が異なっておもしろいです。他にも“草むら”という作品は、日常的で心が和むような雰囲気で好みでした。作品を通じてゴッホが見ていた世界に少しだけ触れられたような気がして嬉しかったです。
同時開催中のライアン・ガンダーの個展も興味深かったです。ショーケースの中に落ちている虫の死骸がロボットでできた展示品だったり、部屋の片隅に空いた穴から顔を出した2体のねずみのロボットが会話をしていたり、とてもユニークな作品ばかりでした。会話の内容はとても深い問題提起がされていて、小説を読んだような満足感がありました。


また、美術館の周辺には遊歩道が広がっていて、森の中に点在するオブジェを探しながら散策することができます。高い木々に覆われた歩道は風が通り抜けてとても涼しかったです。鳥のさえずりや蝉の声、葉っぱの揺れる音、沢の水音などに包まれて心が癒されました。

そして先日、姉と甥とでかけた際には、湖畔の風を感じながら山並みを眺めたり、海沿いで浜焼きを味わったりと、自然の中で夏を満喫しました。夏は自然が恋しくなる季節だなと感じます。
Lab 中井