桜が咲き、新しい制服やスーツに身を包んだ人たちが行き交う季節。街はどこか晴れやかで、希望に満ちた雰囲気に包まれています。
でもその一方で、ふとした瞬間に「なんだかしんどいな」「朝がつらい」「新しい環境に馴染めてない気がする」そんな気持ちになっていませんか?
春は“変化”の季節。そして、変化には思った以上にエネルギーが必要です。この記事では、新生活にちょっと疲れたあなたに向けて、春に試したい“心と体のリセット術”をご紹介します。

■ なぜ春は疲れるのか?
まず前提として、春に疲れを感じるのはとても自然なことです。それにはいくつか理由があります。
1つは、生活の環境が大きく変わりやすい季節であること。
進学や就職、異動、引っ越し、人間関係のリセットなど、目に見える変化が多いのが春の特徴です。新しい人間関係や役割に適応しようと、無意識のうちに気を張っている自分に気づけないこともあります。
もう1つは、気温と日照時間の変化による身体の負担です。
春は寒暖差が激しく、自律神経が乱れやすい季節。さらに花粉や黄砂、気圧の変化など、外的な刺激が多く、身体が常に“調整モード”に入っています。
つまり、春に疲れてしまうのは、あなたのせいではありません。
環境と身体が、そもそもハードな季節なのです。
■ 「頑張らなくていい」を思い出す
春は「新しいことを始めなきゃ」「もっとポジティブにならなきゃ」といった、無意識の“圧”が強まりがちです。SNSでも「新生活楽しんでます!」という投稿が目につきやすく、比較して落ち込むこともあるでしょう。
でも本来、新しい環境に慣れるには3ヶ月くらいかかるのが普通です。焦る必要も、自分を責める必要もありません。
「まだ慣れてないのは当然」「疲れてるのも自然」と、まずはそのままの自分を受け入れることから始めてみましょう。
“がんばらない”ためには、まず「がんばりすぎていること」に気づくことが大切です。
■ 春に効く、3つのリセット習慣
では、ここからは実際に日常の中で取り入れやすい「リセット術」を3つ紹介します。どれも手軽で、でもじんわりと効いてくるものばかりです。
① 朝に“陽の光”を浴びる
気分が重い朝。スマホでSNSやニュースを見る前に、カーテンを開けて朝日を浴びてみてください。
たったそれだけで、体内時計が整い、自律神経が安定しやすくなります。
特に新生活で生活リズムが乱れている人にとって、朝の光は最高のリセットボタン。窓を開けて深呼吸するのもおすすめです。
② 「何もしない時間」を5分だけ作る
頑張っていると、自分が何に疲れているのか分からなくなってくることがあります。そんなときは、意識的に「何もしない時間」を取ってみましょう。
椅子に座って目を閉じる、音楽もスマホもオフ。たった5分でも、頭の中の“情報の渋滞”が少しずつほぐれていきます。
これは瞑想でなくてもOK。「ただぼーっとする時間」が、自分の中の余白を取り戻すきっかけになります。
③ 小さな“好き”を優先する
春は周囲に合わせて「〜しなきゃ」に支配されやすい時期でもあります。
そんなときこそ、自分の“好き”や“心地よさ”を最優先にしてみてください。
たとえば、
・好きなお茶を丁寧に淹れる
・少し遠回りして桜並木の道を歩く
・子どものころに読んでいた絵本を読み返す
小さなことでいいのです。自分の「好き」が日常にあると、不思議と心が落ち着き、余裕が戻ってきます。
■ 「リセット」はやさしくていい
リセットというと、「一度すべてを壊して、やり直す」ような強いイメージがあるかもしれません。でも春に必要なのは、もっとやさしい“上書き保存”のようなリセットです。
疲れていたら、まずは止まっていい。何もしたくないなら、無理にやらなくていい。
がんばれない日があっても、ちゃんと春は巡ってきて、桜は咲いて、あなたの隣を新しい風が通り過ぎていきます。
■ おわりに:春は“芽吹き”の季節
春はスタートの季節であると同時に、「まだ芽を出したばかり」の季節です。
つまり、無理に結果を出す必要も、自分を完成させる必要もありません。
焦らず、深呼吸して、自分の“芽”を少しずつ育てていければいいのです。
この春、新生活に疲れてしまったあなたが、もう一度“自分のままでいられる時間”を取り戻せますように。
リセットはいつでも、静かに、やさしく、始められます。
lab 松山